リリカからタリージェまた、タリージェからリリカに切り替わることがよくあるかと思います
リリカ、タリージェは同種同効薬に分類されるので
患者さんに何が違うの?と聞かれて困る時ありますよね
そこでその疑問を解決していきたと思います
基本情報
リリカの基本情報
商品名 | リリカ |
---|---|
成分名 | プレガバリン |
規格 | 25mg、75mg、150mg |
適応症 | 神経障害性疼痛 線維筋痛症に伴う疼痛 |
用法 | 1日2回に分けて経口投与 |
薬価 | 25mg1錠 45.2円 75mg1錠 75円 150mg1錠 102.6円 |
ジェネリック | あり |
タリージェの基本情報
商品名 | タリージェ |
---|---|
成分名 | ミロガバリンべシル酸塩 |
規格 | 2.5mg 5mg 10mg 15 mg |
適応症 | 神経障害性疼痛 |
用法 | 1日2回経口投与 |
薬価 | 2.5mg1錠 72.9円 5mg1錠 100.4円 10mg1錠 138.8円 15mg1錠 168円 |
ジェネリック | なし |
タリージェはリリカに続く2剤目の神経障害性疼痛治療薬です
基本情報から違いを簡単にまとめるね。
タリージェは神経障害性疼痛のみの適応だけど
リリカは線維筋痛症に伴う疼痛にも適応を持つよ。
それと、リリカはジェネリック医薬品があるから
薬剤費を抑えられるけど、タリージェは1錠あたり
の値段も高くて、患者さんにびっくりされることも。
神経障害性疼痛とは
原因は様々ですが、何らかの原因により神経が障害され、それによって起こる痛みのことです
例えば、
・帯状疱疹後の長引く痛み
・坐骨神経痛
・糖尿病の合併症に伴う痛み
・頸椎症に伴う痛み
などがあげられます
薬理作用
α2δ(アルファ2デルタ)サブユニットとの結合を介してカルシウム電流を抑制することにより、鎮痛作用を発揮する
ちょっと難しくて想像できない。
私も薬理作用を聞いただけでは、なるほど!と理解出来ませんでした。
そんな方のために、図で分かりやすく解説したいと思います。
タリージェ、リリカは同じ作用機序で、神経損傷が起きると増加するα2δ-1サブユニットに結合して
Ca2+の流入を抑制し、興奮性神経伝達物質の放出を抑制することで痛みを抑える効果を持っています
α2δサブユニットに対する結合解離パラメーター
サブユニット | 薬剤 | Kd(mol/L) | Koff(hr-1) | 解離半減期 |
---|---|---|---|---|
ヒトα2δ-1 | プレガバリン | 62.5 | 0.5051 | 1.4 |
ミロガバリン | 13.5 | 0.0627 | 11.1 | |
ヒトα2δ-2 | プレガバリン | 125 | 0.5103 | 1.4 |
ミロガバリン | 22.7 | 0.2837 | 2.4 |
サブユニット | リガンドの作用 |
---|---|
α2δ-1 | 鎮痛作用に関与 |
α2δ-2 | 中枢神経系障害への関与が示唆 |
ヒトα2δ-1の解離半減期を見てみると、リリカに比べタリージェの方が持続的に結合していることが分かります
この結果より、タリージェの方が少量でも効果が期待できる事が説明できます
副作用
めまい、傾眠、意識消失等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
タリージェ錠 添付文書 第一三共株式会社
体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の 徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。特に、投与量の増加又は長期投与に伴い体重増加が認められることがあるため、定期的に体重計測を実施すること。
どちらも主な副作用は、傾眠・めまい・体重増加があげられます
車を運転される方や高齢者には十分注意が必要です
まとめと感想
タリージェとリリカの大きな違いは適応の部分です
タリージェの方がリリカに比べて明らかに勝っているというデータはなく、ほぼ同等だと考えられます
私の経験談ですが、タリージェの方が副作用の眠気が少ないという声を良く耳にします
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